時の約束
□1夜
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『っっ!!』
後ろを振り返る、
まだ追いかけてくる男達、
つかまったりしたら何をされるかなんて嫌でも分かる、
『(誰かっ!!)』
必死に足を動かす。
調度見つけた裏路地に入り、息を潜める。
『(見つかりませんようにっ!)』
目をぎゅっ、とつぶる。
「おい、いたか?」
「いや、いねぇ、」
「くそっ、あの女!」
「いいよ、もういくぞ、女なんてたくさんいんだろ、」
どんどん遠くなる足音。
完全に撒けたことを確認し、
ほっと、一息つく。
その瞬間どっと、疲れが出る。
しかも、頭までくらくらしてきた。
『(もう、いいや…、)』
そっと目を瞑り、
意識を飛ばす。
幸せな夢を見れると信じて。
1夜
(きっと、自由になれる…)
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