ナル×オド

□妄想特急
2ページ/9ページ



本当は『好きだ』の3文字が言いたいだけなのに

…出来ない。



(たった3文字だぞ!?ぼくのバカ野郎!)



チャンスさえあったら…と、いつも思う。





そして思ってるだけで終わってしまう…。



(ホント、ヘタレだな…)



そんな自分が情けないやら滑稽やらで
顔が自然と自嘲的に笑顔を作ってしまう…。





「成歩堂さん、どうしたんですか?いきなりニヤニヤしたりして」

「えっ…?」






「大丈夫ですか?熱でもあるんじゃないですか?
オレが計ってあげます。」







突然
コツンとおデコを当てられて、ぼくの緊張感はマックスに達した。



顔が近くなるのは初めてじゃないケド、それはいつもぼくからで…しかも勢いに任せて、だ。

オドロキくんから近付いて来るのは





まぎれもなく初めてだった。





目を開けたまま瞬きが出来ない。


息がつまって上手く呼吸が出来ない。






今にも心臓が爆発しそうだ。



(ぼくは、どうしたらいいんだ!!?
……ん!?)







まさか…
彼はぼくに『ナニか』を求めているんじゃないのか?



そしてぼくは、そんな彼の期待に応えてあげるべきではないのか!?


(そういえば、よく見るとオドロキくんの頬がピンク色に染まってる気がする…)







一応腐っても年上だ。
ぼくからアクションを起こしてあげないと彼に恥をかかせてしまう!!

(ホント…不器用なんだからフフッ)















「うげぇっ!!キモい!!」

ぼくは叫び声と共に突き飛ばされてソファにその身を沈めた。





「えぇっ!?」










「成歩堂さん!凄く気持ち悪い顔してますよ!!!」


突き飛ばしたあげく、爆弾発言を連発するオドロキくん。





うげぇっキモい…
凄く気持ち悪い顔…。






(ぼくが『キモくて凄く気持ち悪い顔』だって!?)





何が起こったのかサッパリわからない。






「あはは、ど…どういう事だい?」

そんな爆弾を浴びせられて
もはや平静を保ってられる状態ではなかった。






そして

(オドロキくん!どうして…!?)

の言葉がアタマの中を響き渡った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ