ナル×オド

□高所恐怖症
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「う。」

「う。」



あれだけ騒がしかったオレと成歩堂さんは、まるで津波直前に起こる引き潮のように一気に静かになった。




「二人して、そんなにみぬきと一緒に乗りたくないの?」





(違うよ…みぬきちゃんが嫌なんじゃなくて、観覧車が嫌なんだ…)







「みぬき、ちょっと待って今オドロキくんを説得してるから」


(説得されたって絶対に乗ってやるもんか!)







「オドロキくん、そ〜ゆ〜ワケだから…」

「どういうワケですか?
みぬきちゃん、ちょっと待って今成歩堂さんを説得してるから」









「あの…もしかして二人とも高い所がダメなの?」




「!?」

「!?」



さすが みぬきちゃん。イキナリ核心をついてきた。


オレは当然として、成歩堂さんもまたビクッとしている。







「な、なんの話だい?ぼくは高い所が大好きなんだよ。
でも今はあいにく昔、犯人に消火器で殴られた頭が痛くて痛くて…」

「みぬきちゃんオレもっ!オレもそうだよ!観覧車とかもぉ最高なんだケド
今頃ガリューウェーブに行った時の耳鳴りがして…」










「だから、なんで二人してなすり合ってるの?もういいよ…みぬき、一人で遊んでくる」









そう言うと みぬきちゃんは、とっても寂しそうな目をして走って行ってしまった。






「待った!!!」

「待った!!!」






裁判中に負けずとも劣らない二人の『待った』が園内に響いた。



でも、もう遅かった。








「………。」

「………。」





なんと、遊園地という場所に成人男性2名がとり残されてしまった…。
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