ナル×ミツ

□どんぶり看病
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「うわぁ御剣の部屋って広いねぇ!ゴーカだな〜」



許可してないのにズカズカとあがりこんで好きな事を言っている。




そして

「うあぁあ〜このベッド!御剣の匂いだぁあっ!」



と私のベッドにダイブしていた。


「降りろ!それは私が今から寝るのだ!!もう何も触るな!帰れ!!」






いつもの通りに勢いをつけ過ぎたらしい。


突然クラクラとめまいがした。




「ああっダメだよ!ちゃんと寝てないと!」

あろうことか、成歩堂に肩を抱かれて優しくベッドの上に寝かされてしまった。


(…誰のせいだと思っているんだ。)







どうあれ やっと布団に入れて少し落ち着いた。

風邪の時は僅かな移動でも とんでもない体力を要するからだ。





(やっと眠れる…)

しかし、そんな思いを裏切るような声がした。






「御剣っおかゆ作ってあげるよ!おかゆっ」







「…いらん」


「ダメだよ!!」

(ダメなのはお前だ…)



「少しでも何か食べて体力つけないと!」




と叫びながらキッチンの方へ走って行ってしまった。



(まぁ、ヤツなりに心配してくれてるのだろう)


今の体力じゃすばしっこく走り回る成歩堂に追いつける自信が無かったので、しばらく放っておく事にした。














おそらく10分くらい眠れた気がする。



突然、キッチンの方から

『ズムッ!』

という爆発音のようなものが聞こえて目が覚めた。






「!!??」

「御剣!出来たよ!」












ひょこっと怪しい蓋付き鍋を持った成歩堂が現われた。

鼻が詰まっているのに焦げ臭いのが良く分かる。






「起こしてあげるね。大丈夫?」


と優しく介抱してくれるのはわかるが、焦げ臭さが気になってしょうがない。





(…イヤな、予感がする。)
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