企画文章

□初夢
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「ん?アンタらは兄弟なんかい?」

「ちちち違います!!こんな腐れ外道と一緒にしないで下さい!!」


「ぼうや、仮にも兄に向かってそんな口の聞き方は良くないゾ!」
(なんて人の話を聞かないオジサンなんだ!?)






「だから兄弟なんかじゃ…むぐっ!?」

「すみません、今反抗期みたいで。良く言って聞かせますんで…」

「おぅ!ぼうや、お兄ちゃんみたいになるんだゾ〜
じゃあこれ、ズワイガニ。早くあったかい鍋に入れてやんな!毎度〜」









オレはそのまま牙琉検事に引きずられるように商店街をあとにした。


「何するんですか!!!?」

「困ってたみたいだから助けた。」




「助けたって…」


言えるのか?


確かにオレは何も買わずに済んだケド






(オレの自尊心は著しく傷ついたんだ!!)





「余計なお世話です!!!」

「だって、あのままじゃおデコくん買わされてたよ?」



「うっ…」

「ぼくと兄弟じゃ嫌かい?」

「…正直イヤですね」

「じゃあ兄弟以外なら良いんだ?」

「せめて上司と部下にして欲しかったです」


「ふぅ〜ん」





牙琉検事は、霞みがかった雲を眺めている。

細めた目の隙間からキラキラがこぼれ落ちそうだ。

(芸能人って何やってもサマになるな…)











そして


牙琉検事は「ふぅ」と一息ついて


イキナリ笑い出した…。

「あはははっ『ぼうや』の上司はやっぱ無理だよ!おデコくん!!」


「……………。」

(前言撤回。性格悪すぎ!!人間は見た目じゃない!!!)











オレは笑い転げる牙琉検事を置いて歩き出した…。
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