ナル×オド

□妄想特急
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ぼく、成歩堂龍一は迷っていた…。








その案件とは
いつも屈託のない顔で ぼくを誘う(?)オドロキくん。






そんなぼくに彼は

「成歩堂さんボーッとしちゃってどうしたんですかぁ?」

などと抜かしている。





けしからん。

実にけしからん…。








このまま行くべきか、それとも引くべきなのか…







男としての決断が迫られていた。




もう後戻りはできない。



どちらにしても、もうぼくは前に進むしかないんだ!!!















『妄想特急』











「成歩堂さん??」

「んんっ!?」

「だから、どうしたんですか?ボーッとしちゃって」

「あっ…いや、なんでもない」

「まぁいいや。変なのはいつもの事だし…それより、お茶入りましたよ」







ぼくのお茶を無造作に置くオドロキくん。





(そして

ぼくは、おもむろにその手を掴んだ。

「なっ何するんですか!?」

「なぁええやんけ。」

彼は一瞬こわばった表情をしたが

「わかりました。好きにして下さい」

と、恥ずかしそうに頷いた…。つづく)









…って事になるワケないよな。

うん。





「ありがと…」

「冷めないウチに飲んで下さいね」

「うん…」






漉したのが何回目なのか、ほとんど真水に近いお茶をすすって新聞を広げた。






(今日もヒマだなぁ…)

新聞を読むフリしてチラっとオドロキくんを盗み見ると
鼻歌を歌いながら掃除をしている。


(んっ!?)


けしからん。

なんと
よつんばいになって床を掃除している。


(そんなポーズなんかして一体ぼくをどうする気だ!!?)





「オドロキくん!!!」


「うわあっ!!!なんですか!?ビックリしたぁ」




よつんばい決めポーズ(?)のまま振り向くオドロキくん。

なんというアラレもない格好をしているのだろう。



(もう…行くしかないのか!!!)


「オドロキくん!!!」

「だからなんですか!?」











「……なんでもない。」

「掃除の邪魔ですからソファでおとなしくしてて下さい。」

「…ハイ、すみませんでした」








ぼくはトボトボと元の定位置へと戻って行った…。


(トホホ……)
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