ナル×オド

□誕生日プレゼント
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なんか、変だ。




「オドロキくん、まんじゅう食べる?」

「あっいただきます!」




この違和感、なんて言ったらいいんだろう。


「オドロキくんはいつも大変なんだから、今日は昼休み一時間長くとりなよ」

「はぁ、ありがとうございます…」












『誕生日プレゼント』












「オドロキくん、肩こってない?」

「えっ?」

「マッサージしてあげようか?」

「いやっオレ別にそんな、大丈夫です!!」








やっぱり変だ。


成歩堂さんが妙に優しい。



いつもはそっぽ向いてソファで寝てるクセに。






「ん?ジロジロ見ちゃって、ぼく変な顔してる?」


(変なのは様子だ…。)





とにかくなんだか良くない事が起こりそうな気がする…。




成歩堂さんとなるべく離れてそうじしていたら










(ん……?)



「うわあっ!?」






いつの間にか真後ろにいてピュア(?)な笑みを満面に浮かべていた。


(なんなんだよ、もぉ…)





「オドロキくん、あのさ…」

「成歩堂さん、そうじの邪魔ですよ!」



いつもはこの決め台詞で『…ハイ』と弱々しく返事をしながら背中を丸めて戻っていくハズなのに…








「大丈夫!絶対に邪魔しないから!」

と言いながらベタベタまとわりついて シッカリ邪魔して来る。

(邪魔してるじゃん…)



結局、成歩堂さんにまとわりつかれたまま そうじを続けたのでいつもの倍以上時間がかかってしまった。








給湯室でちりとりのゴミを捨てていると

「オドロキくん、さっきの話の続きだけどさ…」




暗い部屋の中、イキナリ後ろから耳元で話しかけられてドキッとしてしまう。




「続きって…話なんか何も始まってませんよ!?」

「さっき話しかけたケド相手にしてくれなかっただろ?」

「うぐ…」




(そういえば何か言いかけてたっけ?)






「で、なんですか?」





「誕生日。」

「はい?」









「今日はぼくの誕生日なんだよ」




成歩堂さんは不敵な笑みを浮かべてオレの肩をポンと叩いた。
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