ナル×オド

□オトナの酔い方
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オレと成歩堂さんは事務所で一緒にお酒を飲んでいた。

勝訴のお祝いに成歩堂さんが たくさんお酒を買って来てくれたんだ。










『オトナの酔い方』









思えばこんな風に二人きりで飲むのは始めてかもしれない。


(成歩堂さん、見るからにお酒強そうだなぁ…)



「オドロキくん、次は何飲む?」

「あっじゃあ、オレンジみたいのを」

「カシスオレンジ?」

「ハイ!たぶんソレです!」


(一応)成人してるオレは甘いのばかり飲んでいた。

嫌いじゃないケドお酒はまだまだ不馴れだった。





反対に成歩堂さんはビールをじつに美味そうに飲んでいた。


(あんなに嬉しそうに飲んでるんだから、おいしいのかな?
…ちょっと飲んでみたい)







「…成歩堂さん!」

「ん?」

「やっぱりオレンジのはいいです。」

「じゃあ何にする?」

「ビビビビビールをお願いします!」

「ビール飲めるの?」

「ハイ!大丈夫です!」







勢いで言ったものの、少し不安だったが

(大人への第一歩だ!)

と試してみる事にした。





「オドロキくん、500と350があるケドどっちがいい?」



(500と350?一体なんの暗号だ…?)



「えぇっと…じゃあ両方テキトーにブレンドして下さい。」

「え?」




(しまったぁ!また知ったかぶりしちゃったよ!)




「あの…じゃあおススメを」

「オドロキくん、350mlと500mlって意味だよ?」

「えっ?そうだった………そのくらい知ってますよ!」


(ううっ恥ずかしい)





「オドロキくんは、ビールとかあんま飲まなそうだから350mlを試しに飲んでみたら?」






ん?

なんか凄く子供扱いされた気がする。






「な、何言ってるんですか!?オレは毎日欠かす事無く500mlを飲んでいるんですよ!?」


よせばいいのに つい強がってしまう。




「ふ〜ん、ホント?」


いぶかしげにオレの顔を覗き込んで来たが、もう後には引けない!


「ホントです!あまりの飲みっプリに『鬼の王泥喜』と誰かに呼ばれています!」





「まぁいいや、ハイどうぞ」





キンキンに冷えたビールの缶が目の前に置かれた。
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