ナル×オド

□執事
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「おデコくん今日ちょっと付き合って欲しいんだけど」

「おいしいご飯があるなら行きますよ?」

「もちろんご馳走するよ!」



検事局で用事を済ませた帰りに牙琉検事に会ってこう言われた。


別になんの気なしに答えたけれども、
後であんな事になるなんて思ってもみなかった……。









『執事』










待ち合わせ時間を聞いて事務所に戻ると

「おかえりオドロキくん」

と成歩堂さんが あんぱんを食べながら出迎えてくれた。


(あんぱん好きだなぁ)



もぐもぐ食べながらブドウジュースを飲んで新聞を読んでいる。


(うわぁあブドウジュースとあんぱんって…凄い組み合わせだよな。気持ち悪くないのかな?)







「オドロキくん」

「ハ、ハイ!」

(うわっビックリした〜)




「ヒマだね」

「…いつも通りですよ」



「遊ぼう」

「え?ハイ」




急に『遊ぼう』と言われても事務所の中に遊べそうなモノなんて無かったハズだ。



「じゃあ負けた方は罰ゲームね」


(うっ…)




あまり良くない展開だ。

成歩堂さんの事だ。

自分が負ける勝負は絶対仕掛けて来ない気がする。




迷って口ごもっていると

「大丈夫だよ。対等な勝負だから
オドロキくんが勝った時にぼくの罰ゲームは何にする?」


と付け加えた。



(成歩堂さんに罰ゲームか…ちょっと面白そうかも)

いつもヒドイ目(?)にばかり合わされていたので、たまにはギャフンと言わせてやりたい。

「…じゃ、じゃあ今日一日オレの執事をやって下さい」

「羊?」

「執事です!オレの身の周りの事をなんでもやる人です!」




「いいよ。じゃあ逆にオドロキくんが負けたらキスね」

「えぇっ!?キ…キスぅ!?だだだ誰にですか!?」

唐突にそんな事を言われて条件反射で真っ赤になってしまう。

(だってキスって…)




「ぼくにだよ。決まってるだろう?」

「…どこに?」

恥ずかしいけど恐る恐る聞くしかない。




「キスって言ったら唇しかないだろ?」






「くちび………。」


(オレ、この勝負勝てるのか?)



不安の冷や汗が背中をつたった。
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