ナル×オド

□弱点
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「成歩堂さんて、どうしていつもブドウジュース飲んでるんですか?」

「ブドウはぼくの古き良き友なんだよ」

「え。
『ブドウジュース』
じゃなくて
『ブドウ』が友なんですか?」

「話の流れからするとそうなるね」

「…ふぅん」

「オドロキくんには、そういうのある?自分にとって特別なの?」

「果物の友達はいませんよ」

(うっ…もっともだ)

「じゃあ人間は?」

「オレですか?オレは…」










『弱点』











「…よくわかんないです。」

「わかんない?」

「う〜ん仲良い友達とかはいるケド
なんかピンとこないというか…」

「牙琉霧人は?」






一瞬にして表情が凍り付く。

一番触れて欲しくない人物の名前だと分かってて聞いてしまう。



「先…生は悪い事をしたからダメ…です。」

「どんな悪い事?」




ホントぼくはイジワルだ。




「それは…人をたくさん傷つけたから、です。」

「君も傷つけられた?」


あ、泣きそう




「オレは…傷つけられたなんて、思ってません!」

小さい身体をさらに小さく丸めて涙をこらえている。


でも声は完全に泣いていた。



「オレは傷つけられてなんか…いません」

「ホントに?」

「ホントです!」



そして
まるで逃げるように

「買い物にいってきます!」

と出て行ってしまった。









(そこまでイジワルするつもりはなかったんだけどなぁ)




成歩堂はソファに寝ころがり、新聞を広げた。
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