ナル×ミツ
□チュー
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「なんだよ!?もうミツルギなんか大っ嫌いだ!!」
「さっきからキサマは一体何がしたいんだ!?もうバカにはつきあいきれん!!」
「いいよ〜だ!もうぼくの消しゴム貸してやんないからな!」
「キサマの汚い消しゴムを借りた事は一度もない!!」
「うっ……」
『チュー』
一体どうしてこんな事になってしまったんだろう?
ぼくは、ただミツルギと遊びたかっただけなのに…。
誰かと楽しそうに話してるから まざりに行ったら
「なんだお前?」
と言われてしまった…。
なんだか仲間ハズレにされた気がしてカッとなって…
思わずつっかかっちゃったんだ。
(フンだ…。ミツルギのバカ。)
ぼくは、足元に転がってる石を思い切り蹴飛ばした。
『カラカラッ』
と乾いた音をたてながら石は無造作に転がっていった。
(それにしても、なんであんな風に怒っちゃったんだろ?)
そう思うと、なんとな〜くバツが悪くなってきた気がした。
でも
まだそれをスンナリ受け入れられるほど
ぼくはオトナじゃない。
「ぼ、ぼくは…悪くないからな!!
ミツルギのバカ!!」
思い切り路地の電柱に向かってそう叫ぶと ぼくは走り出した。
後ろにがミツルギがいたとも知らずに…。