ナル×ミツ

□冷蔵庫
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私は、人生最大のピンチに陥っていた。

ハッキリ言って死ぬかもしれない。





なぜなら……













『冷蔵庫』










ある暑い夏の日だった。


「みっつるぎ〜アイス食べよう!」


例によって成歩堂は私の執務室をウロウロしていた。
今日は差し入れのつもりかアイスが入った袋を持っている。


「うム。たまにはそのようなモノもいいだろう」

「何にする?」

「では、『みぞれ』を」

「さすが御剣シブイね…」

「…そうなのか?」






(シブイ…若者らしくないという事か!?)






「やめた。急に『みぞれ』は食べたくなくなった。」

「えっ?うん、別にいいケド…」






(ここは落ち着いて選んでみよう)








(ム…!コレだ!!)



「決まった?」

「うム。では『抹茶味』を」








「やっぱりシブイというか、ジジクサいねぇ」

「ムぅっ」




(やはり若者らしくないのか…)


私はウグイス色アイスを眺めながら、ため息をついた。


私の思いとは裏腹に、成歩堂はいかにも若者らしい真っ赤でチョコの粒が入った三角形の棒アイスを食べている。


「成歩堂…私にもそれをくれないか?」

「えっ御剣もう食べちゃったの??」

「いや、まだだが…成歩堂と同じのが食べたくなったのだ。」

「えっ!?みっ御剣〜〜!!」

「こっちへ来なくていい!!」








「…でもコレひとつしかないや」

「ナニ!?」





みるみる成歩堂の目がイヤらしく光る。







「一緒に食べよう?」

「…いらん」











私は大きくため息をついて



再び



抹茶味のジジクサいアイスを食べ始めた…。
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