ナル×ミツ

□どんぶり看病
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「38.5度か…」

私はため息をついた。



朝起きてすぐ、体調がおかしい事に気付いた。

念の為に熱を計ってみたら このザマだ。





今のところ、仕事は書類整理だけだったし有休がたくさん余っていたはずだ。


(いたしかたない、休むか)











『どんぶり看病』











検事局に休暇の連絡をし、やっとウトウトして来たところでインターホンが鳴った。



(宅配便の予定も無いし、どうせ大した用なんか無いヤツだろう)


と無視していたが、何度も何度も鳴らされてだんだん腹が立ってきた。


(うるさいヤツだ!寝れないではないか!!何者かは知らんが抗議してやる!!)



ダルい体をなんとか起こしてドアへ向かう。
その間、インターホンはずっと鳴り続けていた。








「騒がしいぞ!!なんの用かね?急用なら…」


「御剣〜〜〜!!!」





「…………。」



見慣れたギザギザ頭…。


やはり、開けるべきではなかったと深く後悔した。






「御剣っ!検事局に行ったら御剣いなくってつまんないから来ちゃったよ〜」





「……君は、いつもヒマつぶしに検事局へ来てたのか?」

「うっ…そういうワケじゃないけど、どうしたのパジャマ姿で??」






「風邪をひいたので本日は休暇を取った。
したがって入って来るな。じゃあな」

と吐き捨ててドアを閉めようとしたら


「それは大変だ!!御剣っもう大丈夫だよ!!」




なんと閉めたと思ったドアがこじ開けられてしまった。






(しまった!!)

この男が関わると治るものも治らなくなってしまう。




でも、すでに時は遅すぎたようだった。
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