ナル×ミツ
□嫉妬
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ぼくは別になんとも思っていない。
ただ
3人でいると
楽しいんだけど
少しだけ
悔しい時があるだけなんだ。
『嫉妬』
「でさ〜レイコったらもぉ極上のいい女で…おっ御剣!飲みが足んねぇよ!」
「うム。」
「何飲んでんだ?」
「ム…コレだ」
「はぁあ?なんだコレ?ジュースじゃねぇか!?」
「…フェニックスだ」
正確には『phoenix2』
ブランデー1/3
赤ワイン1/3
スイートベルモット
ホワイトペパーミントリキュール
御剣がよく好んで飲んでいるカクテルだ。
「そんなんじゃダメダメ!男は黙って日本酒だろ!なぁ成歩堂?」
「え…」
返事をし終わる前に、矢張は日本酒をドボドボと御剣のグラスに注ぎ込んでいた。
「なっキサマ!なんという事を…」
日本酒と赤ワイン…まさに水と油の関係だ。
混ざって旨いワケが…というか物凄ぉく不味い。
「こんなモノ飲めるか!」
「ほらほら御剣あ〜んして☆」
「うわっ!やめないか!!」
思わず拳に力が入る。
でも相手は矢張だ。
どうせふざけてるだけだと自分に言い聞かせて なんとか落ち着きを取り戻す。
「オイ矢張やめろよ。御剣嫌がってるじゃないか?」
「成歩堂ぉ〜!だって御剣ってばオレの酒が飲めないって言いやがるんだよぉ〜!」
潤んだ瞳で矢張が泣き付いてくる。
なんとか手を突っ張って 抱き付いて来ないようにして横目で御剣を見た。
(御剣、大丈夫かな?)
御剣は赤ワインと日本酒の混ざり合った かぐわしいカクテルを眺めてボーっとしている。
(あ〜あ、可哀相に…)