ナル×ミツ

□りんご飴とおんぶ
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「マツリ?」

「うん、今度河川敷で祭があるんだけど一緒に行かない?」

「…断る。」

「えっなんで?」

「先日キサマと海に行って、さんざんな目に合ったのを忘れたとは言わさんゾ!

私の車が……

とにかくもぉ懲り懲りだ!
さっさと帰りたまえ!このヒマ人が!」













『りんご飴とおんぶ』













「えー御剣が来なくちゃヤダよ!」

「知らん。
早く仕事をしたいので出て行け」



先程から人の仕事場でグダグダ抜かしおって…。






「じゃ、決定ね」

「うるさい。」

「御剣の好きそうな食べ物もあるよ?」

「子供じゃあるまいし食べ物に釣られるか!?」

「この間、悪い事しちゃったから…お詫びしたいんだ」

「そのまえに請求書のお金が払われていないようだが?
大人なら金額で誠意を示したまえ。」






「うっ……」





口ごもって何かモゴモゴ言ってるが…

とりあえずトドメは刺したようだな。








「…お願い」

「?」

「お願いだから浴衣着て一緒に行こうよ」







真剣でレーザーみたいに真直ぐな黒い瞳に見つめられて 思わずたじろぐ。


(説得力のある瞳だな…)









「う…ムぅ。考えておく」

「行こう?」

「ム…ところで成歩堂」

「なに?」








「ユカタってなんだ?」








そして

空気が凍り付くのがイヤでも分かってしまった。



「そ、そのような目で見ないでいただきたい!!!」

「御剣…知らないの?」

「なにを…知ってるに決まっているだろう!?
アレだ!アレがユカタなのだ!」

「アレって何?」

「なんというか、夏の勝負時によく着るソレだ!見ろ!!」







私は自信満々で壁に掛けてある勝負服を指差した。





(ヒラヒラも1.5倍(当社比)でもはや言葉は必要あるまい!)












「…御剣、いいよ無理しなくて。
浴衣ぼくも持ってないから一緒に買いに行こう…」





成歩堂は死んだ魚みたいな目をしてつぶやいた…。
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