ナル×ミツ

□成歩堂くんの励まし方
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最近

成歩堂の様子が

おかしい







「成歩堂、書類を持って来たんだが。」

「………」

「オイ、成歩堂?」

「………」

ボーっと自分の手を見ている。




「キサマ!人が話している時になんだ!?」



「あっ!?あぁゴメン!考え事してて」


(脳内爆発したようなヤツにも考え事はあるのか…)



「書類だ。」

「ウン、ありがとう…」







『成歩堂くんの励まし方』







やはり様子がおかしい。

特にこのあいだ見かけた時なんか公園でハトにブツブツ話しかけていた。


なんだか気持ち悪いので私はすぐに退散したが。








何か深刻な悩みでもあるのだろうか?


『成歩堂、お前は様子が変だ』

『もし悩み事があるなら私に相談するが良い』

とでも言って励ましてやろう。






「成歩堂、その、お前はなんだかアレだ。」

「…ん?」

「もしソレだったら私に相談するが良い。」

「?…うん」



(イカン。全く伝わってない私とした事が…)



「フ…フン、キサマは、なかなかどうして理解力が無さそうなので言い直す。」

「?」




「成歩堂、キサマは最近なんだか気持ち悪い」

「え…」

「もしヤバイ病気なら私に相談するが良い。」




(なんでそんな言い方しか出来ないのだ私は!?)



「……………。」



成歩堂はまた自分の手に視線を向け、うつむいてしまった。


(しまった!!)




「御剣…」




「今日の御剣面白いね」

と覇気が全く無い返事が返ってきた。

下を向いてるので表情がよく分からないが、怒っているか傷ついてしまったに違いない。




(なんという事だ。)




「成歩堂、なんと言って良いか分からないが…」


いくら馬鹿相手とはいえ、怒らせたり傷つけたりしてしまうのは罪悪感がつのる。





「いいよ、御剣ありがとう…」





と言われて私は事務所をあとにするしかなかった。
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