ナル×オド

□妄想特急
3ページ/9ページ


「ん〜なんていうか、目をつむってて口がトンガってて…とにかく気持ち悪いからやめて下さい。」




「……………ハイ。」





とりあえずぼくは引き下がってあげる事にした…。


(ま、まぁぼくもオトナだしさ…恥ずかしがってるなら仕方ないな。)











そして
ダラダラと水洗便所のように時間は流れ、いつしかお昼時になっていた。


「オドロキくん、おヒル連れて行ってあげようか?」

「うわっいいんですか!?」



ニッコリ笑って小さな身体いっぱいに喜びを表現するオドロキくん。

(なんだその笑顔は!?そんなのって反則だぞ!!)





なんだかんだ心の中で文句を叫びつつも

ぼくは、牛丼屋の予定を急きょ変更してファミレスに連れて行く事にした。






出かけ際

「成歩堂さん、オレ牛丼で十分だし別に無理しなくてもいいですよ」


と、つぶやかれたのが少し気になったケド…。













「ホントになんでも頼んでいいんですか!?」

「モチロンだよ」

「じゃ、じゃあハンバーグが食べたいです!」





ぼくは、
ピクッと片眉がつり上がるのを感じた。









(ハンバーグだと!?)



けしからん。

誠にけしからん。



(もしかして狙ってるのか!?そんなカワイイもん頼んで、ぼくをどうしようって気だ!!?)











「成歩堂さん!成歩堂さん!」

「え?……うん。」






「大丈夫ですか?」

「???」


「今度はなんか怒った顔してますよ?」

「えっ!?そんな事ないよ!」

「あっわかりました!オレが高いの頼んだから怒ってるんでしょう?」

「ま、まさか違うよっ」

「いいんですよ別に無理しなくて」

「ぼくはそこまでビンボーじゃないよ!!」








と、意気込んでタンカを切ったものの
財布と相談した結果、ぼくはドリンクバーだけになってしまった…。







「成歩堂さん、ハンバーグ少し食べますか?」

「オナカ空いてないから大丈夫!!」


(トホホ…。)
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ