歌と詩(うた)が繋がる道
□出会い
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神流サイド
俺は周りに嫌われている。
子供は素直で、時に残酷だ。言われたことをすぐ信じてしまう。
少し前までは、僅かながら友達と呼べる人が周りにいた。
しかしあることで、友情もすべて簡単に失ってしまった。
きっかけは些細なことだ。
クラスの中心的な奴は頭がよくて、運動ができて、容姿は良かった。
逆に俺は、頭はともかく運動は普通、そして容姿は最悪だった。
野暮ったい前髪に、ダサい眼鏡、低い身長、漫画に出てくるがり勉みたいな格好だった。
早い話がそんな俺が人気者に嫌われると周りにもあっという間に嫌われる。
そして、陰口や先生にわからないぐらいの嫌がらせを受ける毎日だ。
ある放課後…
はぁ、ウザいな。
飽きないのか毎日続く嫌がらせや陰口にイライラがピークが達していた。
あの場所に行こうかな。
陰口をバックミュージックに聞きながらある場所を目指した。
大きなイチョウの木の下にあるベンチ
そこにストンと座る。
そこからは校庭で部活に励んでいる子や友達と談笑しながら帰宅する子など俺がもう手に入れられることがない光景が広がっている。
羨ましい…
その光景は、普通なことだとしても俺にとって輝いていることにしか見えない。
だからこの気持ちを詩という形にして紙に書き綴る。
悲しい…
寂しい…
でも未来にある暖かさ、優しさがある希望
そんな気持ちをこの詩(うた)に込める。