ノーマル小説
□桜花爛漫[完]
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そういって勝手に先に歩き出すと不意に手首を後方のアスランによって攫われた。
驚いて振り返ってみるとアスランは自分の行動に驚いているのか、瞠目して先ほどの悠然たる態度を消し視線を彷徨わせ、そして元々朱に染まった頬をさらに赤く染めていた
「あ、あの…?」
「…君が悪いんだぞ?いきなりもう行くとか言い出すから…」
「え?」
「その…。キミと、もう少し一緒に居たい…。駄目、か?」
ドキン
心臓が跳ね上がる音を聞いた気がした
殺し文句とはこういう事を言うのだろう
つられてこっちまで赤くなってしまう
「い、いえっ!!そんな…、嬉しいですっ!」
心臓をドキバクさせながら必死に言葉を繕うと、アスランは安心したように微笑を浮かべた
「なら行こうか」
「え?行くって…」