ノーマル小説
□シャボン玉
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「お、おい?シンはどうするんだ?」
歩きだした私に慌てて追いかけてきた隊長は、少し驚いた表情を隠すこともせず問いかけてくる。
「あぁ、シンですか?シン実は急用が出来ちゃってこれないそうですよ?」
「何?全く…。彼奴が言いだした事じゃないのか?」
「しょうがないですよ。急用なんですから」
なぁんて。本当はシンには可哀想だけど日にちをズラして教えてあるのよね。ごめんね、シン。だけど今回のチャンスを私は逃すわけにはいかないの!
鈍感な彼には一日付き合ったって時間が足りないくらいなんだから
今度何か奢るから許してね。と、心の中で謝りながらも顎に人差し指を宛てて、軽く何かを考える仕草をする。
「ねぇ?これから何処行きます?シンが来れないのならシンのお勧めの美味しいお店って場所に行けないですし」
「そうだな…。一応場所はこの10階にあるとは聞いているが、勝手に食べるのも悪いしな。帰るか?」
…え?
思わぬ隊長の言葉に「えぇ!?」と素っ頓狂な声をあげてしまった