ノーマル小説
□シャボン玉
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だがそんな私の様子を余所に隊長は名前で呼ばれた事に別に照れる素振りを見せるわけでもなく。
思わず溜息が出る。
するとやはり…というべきか。「疲れたのか?」なぁ〜んて優しい言葉を述べてくれるわけで…。
本当なんていうか。ザラ隊長ってすっごい鈍いのよね
「ねぇ?隊長も私の事ルナって呼んでくれて構わないんですよ?」
「え?いや、それは別に…」
「むっ。別にって。自分の事は名前で呼べって言うくせに」
「あのな。それとこれとは別だろ?第一キミの事は名前で呼んでるじゃないか」
「でも長いでしょ?それにそっちのほうが親しみ感じません?」
「はぁ…。…分かったよ。俺の負けだ、これでいいんだろ?ルナ?」
「はい。では行きましょうか?」
少し呆れた物言いだけど、今の私には十分嬉しい言葉。
自然と頬が緩くなってくるのを感じ、それが悟られないようくるりと入口へと方向を変えるとゆっくりと歩だす。