NOVEL
□プレゼントは君の為に
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「見て下さい、アスランさん。これ私が作ったんですよ」
メイリンは二つに結われてある緋色の長い髪を揺らしながら食べ物がおいてある机の前まで移動すると自慢げにローストチキンを持ち上げた。その様子を見たルナマリアは目を丸くして慌ててメイリンの元へと向かう
「あぁっ、こらメイリン!駄目じゃない。落とすわよ?それに油が落ちるじゃないっ」
「えぇ〜、だってぇ」
「それにこんなのは作ったとは云わないの。ただ焼いただけなんだから」
言葉を交える姉妹を可笑しそうに視界に捕らえているといつの間にか腕を放していたシンの手がアスランの軍服をちょこちょこと引っ張り小声で囁く
「すみませんでした。…その、ルナには逆らえなくて…」
「いつもズバズバと言いたいことを云うシンがか?」
「いや、あ、はい…。ちょっと今回は訳ありで…」
言葉を濁すシンだったがそのコトに口を挟むのも何か違うように感じ、敢えて突っ込んで聞くこともせず辺りを見渡して室内の感想を述べる。丁度良い大きさのクリスマスツリーは綺麗に飾り付けされており、また食を誘う美味しそうな臭いが漂っていた
「何か食べに行くか?」
「ハイ、そうですね」
優しい表情を向けられたシンは嬉しそうに元気よく返事を返した