ノーマル小説

□桜花爛漫[完]
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「アスランさん、これってデートって言えるんですか?」


「…デートだろ?」


「でも、お風呂入ったら別々じゃないですか」


「なら君は、風呂に入らなくても良いと云うんだな?」

「うぅ…。アスランさんの意地悪」




アークエンジェルにある天使湯の出入口の前でメイリンはしゅんと項垂れる。
その理由はこれ。
デートの行き先がただのお風呂だったと言うことだった。
今からデートしないか、と先ほど述べられた言葉を懐かしむように噛みしめる。





まさかお風呂までの道のりを彼がデートだと称していたとは…。










[桜花爛漫]







「なんだか期待しちゃった私が馬鹿みたい…」


ドライヤーで髪を乾かしながらメイリンはそっとひとりごちる。
あの一言にメイリンがどれだけ心を弾ませたことかなどアスランは知らないのだろう


深々と溜息を漏らした後、その気分を吹き飛ばすように首を振った。



何も残念なことばかりではない。
岩風呂もそうだが、時折お風呂につかりながらアスランと言葉を交わしあったりと普段あまり出来ない体験が出来たのも確かで、それはそれで満悦だった



「う〜ん。でもこれをデートと称するのはどうなんでしょうね?アスランさん?」
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