NOVEL

□プレゼントは君の為に
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「メリークリスマ〜ス♪」

部屋に入室したとたん高揚のある声と共にクラッカーの音がアスランの鼓膜を刺激する。瞳に映るのは赤と白に包まれた女性二人組。…否、レディース用のサンタの服を纏っているルナマリアとメイリンだった。
とても満面な表情でシンにお疲れさま、と告げる彼女たちに自分が謀れたコトに気づくとアスランは無言で隣に居るシンを睨み付けた


あはは、と乾いた笑みを洩らす彼はアスランを此処に連れてきた張本人。しかも脅かすために此のクリスマスパーティを開くことは秘密だと云われ嘘の理由で此処まで連れて来たのだから余計達が悪い。
頬を掻きながら気まずそうに視線を逸らすシンに大きく溜息を吐き踵を返して帰ろうとした所咄嗟に腕を掴まれる



「せ、折角来たんですし少し楽しんでいきません…か?」

「俺は来たくて来たわけじゃない」





むすっと冷たい声で一蹴して掴まれている手を振りほどこうとしたが「アスラン、怒ってます?」と目の前まで来たルナマリアに顔を覗き込むようにして訪ねられては女性の手前、素直に怒ってますとは言えないわけで


「いや、怒ってないさ…」

「なら、参加して下さいますよね?」

その一言が仇となる。つくづく女性には弱いアスランはルナマリアに押し切られ渋々と承諾することになった。
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