小説

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「…どちらさまデスか」



見知らぬ怪しい人物は


実は よく知っている人物だった











吐く息がくなってゆく










「みんな酷いってばよー」


班員の顔も忘れたのか!と頬を膨らませ拗ねているであろう彼―ナルトの表情は 実の所 はっきりとは分からない。

いつも大きな口を開けてニコニコと笑うその顔は 今や真っ黒い覆面に覆われていて。


本人曰く「花粉症対策」なのだそうだ。



「こうでもしてなきゃ…っくしょん!花粉吸い込み放題で…っくしょい!」

「辛そうね‥」


クシャミ混じりのナルトの声は 早速言葉に成っていない。

とりあえず、辛いのだという事だけは見て取れた。


何しろ我らが担当上忍とペアルックまがいの格好までしてくる程だ、ナルトからしてみればそれこそ死活問題で。


「そう!辛いの!だから俺…っくしょ…むが!」



けれど それを面白くなさそうに見ていた残りの班員にも 問題は重要であったようだ。





「…何の真似だってばよサスケ」


そう告げるナルトの声はなぜか鼻声。


「くしゃみ止めてやったんだろ」

「痛いデス」

「それぐらい我慢しとけ」



覆面してるよりよっぽどましだ、とのたまうサスケはしっかりとナルトのその鼻を摘み くしゃみを元から止めている。

摘まれた痛みを訴えるナルトの意見は 綺麗に無視のようだった。 
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