小説

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人と人との距離なんて

本当は


ずっと遠くて




それを縮める為の努力は惜しみなくするのだけれど










れい










河原にごろんと寝転んで見上げた空には 暗がりが迫っていた。



「そういえばさー」

「ん、」

「今日は流星群が見られるらしいわよ」


きっと 何とは無しに言ったであろうその言葉に「マジで!」とナルトは食らいつく。

四方に投げ出していた細い手は 今はもう 音がするほど硬く握り締められていて。


「サクラちゃんってば物知り!凄い!」

「‥それはどうも」


そこまで言われると逆に複雑だ、と言って彼女はフイと顔を逸らした。


この班員は感情の起伏が激しい。

特に「嬉しい」といった類のものには過剰なまでに反応を示し その度にいつもこちらはたじたじだ。


表情豊かなこの少年は見ていてとても微笑ましいし、正直 いつも癒された。けれど。


そんな奴が 自分にとってはライバルなのだ。



「流星群かー」

「きっと綺麗でしょうね」

「うん、だからさ」


サスケも見られないかなー。


そう言って綺麗に、本当に綺麗に微笑む。


コイツが ライバル。
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