小説
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守って欲しい訳じゃない
守られて良いような
存在じゃない
危険だろうが安全だろうが
「ねぇ、ナルトー」
例えばよ?
「私とサクラが崖から落ちそうになってたとしてどっちを助ける?」
そう言って 彼の目を見る彼女の顔は真剣そのものであったため。
問われた彼もまた 真剣に応えてくるのは至極当然。
「勿論サクラ」
何の冗談も混じっていないその言葉に思わずじわりと視界が潤んだ。
つまりは泣きそうだという事。
「じゃ、じゃあ次!」
それでもめげずにもう一度彼女―いのは彼の目を覗き込んだ。
「私とサクラが敵に捕まったらどっちを助け‥」
「サクラ」
「――じゃあ私とサク‥」
「サクラ」
「せめて最後まで聞きなさいよ」
それは余りにもあんまりだ、と憤慨してみる。
けれど当の本人は涼しい顔で、おまけに背後では心底楽しそうにサスケが、
笑っていて。
シカマルは例によって例の如く蚊帳の外だ。