小説
□13:
1ページ/3ページ
ねぇ、もう一度
その声を聞かせて下さい
「 」
始めに聞こえたのは ヒュっと酸素を吸い込む音。
次は スースーと微かに空気が漏れる音。
「ねぇ、」
「…‥っ…」
「ねぇ、サスケ」
喋れないの?
沈黙は、肯定。
「声、出ない?何で?」
何でそんな、顔してるの?
「アンタが泣きそうな顔してるからでしょ」
サスケ君が困ってるじゃない、と。
戸を開ける音と同時に 盆に水の入ったコップと薬を乗せたサクラの声が部屋に響いた。
音のする方へ首を捻れば 丁度盆が視界に入って。
その薬を見た途端 ナルトの顔が青ざめる。
「サクラちゃん何その薬!サスケ死んじゃうってば?!」
「ばか」