小説
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つまりは
一種の自己防衛
だって
「俺、気を付けろって言ったよね」
「………」
目の前で腕組みをしながら自分を見下ろしてくるのは 現在最有力候補と巷で噂される時期火影。
「言ったよね」
返事をしない俺に彼はもう一度ゆっくりと同じ問いかけを繰り返し 目の笑っていない微笑みを向けてきた。
明らかに「謝りやがれ」と目が訴える。
しかし謝ってやる気など毛頭ないので 無言を決め込んでやって。
「…頼むからさぁ」
埒の明かないやり取りを先に放棄したのはあちら。
先程までムスッと怒っていた表情は、今や、泣きそうなそれに変わっていて。
「あんまり無理しないでってば」
心配する身にもなってくれ と、最後にはまるで懇願のように言われた。
彼―ナルトが火影見習いとして綱手の元で勉強を始めたのは一ヶ月前からだ。
それと同時に今まで組んでいたパートナー、サスケは上忍から暗部へと移動になった。