小説
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誰よりも
嘘の得意な、
そんな 子供だったから
無理矢理に繕ってみたりしないで大丈夫
思い起こせば笑顔しか浮かばないのは 本人がそう仕向けたからであって。
本当にいつも笑っていたのかと問えば、それは多分間違いだ。
「サスケはいつも無理するから」
「たまには休みも必要だってば」
「一人で溜め込むなってばよ?」
それはお前の方なのでは、と。
けれど 常に回りに気を使う子供はそう言うのを許さない。
無理をしているのは誰かなんて、そんな事、比を見るより明らかなのに。
「ナルト。ちょっと、」
こっちに来い、と。
言って素直に寄ってきたナルトを 胡坐を掻いた膝の上に座らせた。
先程のテーブル越しとは明らかに違う互いの距離。その差僅か0センチ。
自分の胸とナルトの背中とがピッタリとくっつき鼓動の音が伝わってきた所で、
「‥サスケ、何の真似だってばよ」
ようやくナルトは今置かれている状況の不思議さに頭を捻った。