小説
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「この一ヶ月で骨折した箇所は約36箇所」
左腕に鎖骨にあばらに大腿骨に‥
「それから切り傷がその倍の箇所」
どういうことか、分かる?
「‥さぁ」
「任務から無傷で還ったためしがないって事だってばよ!」
ダン と目の前に白い紙を叩きつけて喚くナルト。
どうして怪我した本人よりも詳しいんだ とそう問えば「サクラからの報告だ」と返された。
そういえば今までの傷の手当ては全て彼女に施された気がするけれど。
(アイツ全部ナルトに報告してたのか‥)
そんな事より。
「なんで俺が縛られなくちゃいけねぇんだよ」
動く度にギスギスと軋む縄を恨めしそうに睨みつける。
実はこの執務室に入った瞬間に拘束され そのまま座らされていた訳で。
「だって、こうでもしないと逃げちゃうでしょ?」
「当たり前だ」
何かの罰にしては心当たりのないそれにいつまでも付き合ってやれるほど自分は暇な奴ではないので 早速縄抜けを試みる。
が。
「いいから大人しくしてろってばよ」
目にも留まらぬ速さで眼前にクナイを突き立てられてしまえば、もう、じっとしている他になかった。
「お前これから一週間自宅待機な」