いらっしゃいませ、お嬢様。


私共のおもてなしは御満足いただけましたか?



………お気に召しませんでしたか?



それでは、此方の恋物語などは如何です?



この物語はある娘が『大切なもの』に辿り着くまでの詩(うた)───



もし、



お嬢様が夢のような恋物語を御覧になりたいのならば…



どうぞ、この手をお取り下さい。


僣越ながら私が御案内致しましょう。



眠れる姫が見続ける恋の夢へと、私共の船でお連れ致します。


さあ、ゲートは此方ですよ。



楽園への困難なる永い旅路。
過酷な道程に不安を覚える事もおありでしょう。


しかし…お嬢様は一人ではありません。


いつ何時も私がお側について居ります故、御安心を…。




ああ、ちょうど出航準備が整ったようです。



彼の地へ往くのであれば、お乗り下さい。




それでは……参りましょうか?

世界を渡る箱船、その聖櫃の名は……










『Noah's Ark』






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