a
□影法師T
1ページ/13ページ
お前…かわいそうなやつだな…一人の人を一生懸命愛することができないなんて…
俺はそうあいつに言われた…
影法師
俺にとって愛情とはなんなんだろう…
自分の存在を保つためのもの??分からない…
ただ言えるのは俺は愛情を一人だけにささげることができないんだ…
「のぁぁ…もぅだめだぁ…」
土方は頭を悩ませた。彼は土方十四郎。一課の刑事だ。
「何やってるんですかぃ??土方コノヤロー」
「おぃ…一応お前の先輩なんだぞ??俺は。」
「へっ。いっしょにチーム組んでるだけじゃないですかぃ…エラソーにしないでくだせぇ。」
今話しているクソ生意気な野郎は沖田総悟。同じく一課の刑事で土方とはチームを組んでいる。
「はぁ…ちょっとまてょ…この事件は四課の仕事だろーがよ…」
「んぁ??四課ってことはどっかの組さんと今回のホシが繋がってるってことですかぃ??」
「どうやらなぁ…ちなみにヤク付きかもょ??」
「まぢですかぃ…だりぃ…超だりぃ…」
今回、二人が追っている事件は、二週間前に起きた。
河原に浮かんだ若い女性の水死体…
体内からは大量のアルコールが検出されたことによって酔って橋から転落という初歩的な事故かと思われたのだが、検死の結果、微量の麻薬も検出された。
持ち物を調べて見ると財布に一枚の名刺が…
『ホストクラブ 月影オーナー 志村新八』
この名前はちょっと知られていた。やーさんと組んでどうやら麻薬の売買に手を染めているようなのだ。
決定的な証拠がないため、逮捕に乗り出せないのだ。
「へぇ…ガイ者は志村と関わりがあった…かぃ…。やっかいですねぃ。んでヤクだろぃ…ついでに組付き…はぁ…死んでなきゃ確実四課じゃねぃかぃ…」
「まったくだ…はぁ…しゃーないか…聞き込みいくぞー」土方はうっとうしそうに上着を掴んだ。
「へぃへぃ…んで??どこに行くんですかぃ??」
「決まってんだろ。ここだ。」
土方は名刺を掴むと部屋から出て行った。