ゴミ箱

▼書込み 

08/08(Mon) 19:49
実写短編

DOTM小説をチラ見してたら書きたくなったレーザービークのお話。
レーザービークはDOTM新参組でかなり好きなキャラです。

映画と小説ごっちゃで、且つ小説はつまみ読み程度のため、変なことを書いている可能性があります。故にゴミ箱。
口調とかもおかしいかもしれません。

当然ネタバレ含みますので未見の方はご注意ください。
次ページにも注意書き続きます。
W47T

08/08(Mon) 19:54
1

・レーザービーク死亡シーンのif話です。かといって生存endではありません。
・現時点で映画を1回しか観ていないためなやふや。
・スパークは頭にあったものとして書いております。
よろしければ↓どうぞ。



****
レーザービークは真直ぐに落下した。翼を使って飛行する際とは質の異なる浮遊感を、奇妙に思いながら。
かつて巨大なビルディングを構築していたコンクリートに、かつて自動車の一部であった鉄の板に、ぶつかり、跳ねて、何度か方向を変え、がらんと音を立てて地面に頭を預ける。体の方は翼をばたつかせてもがきながら、頭よりゆっくりとした速度で地面に辿り着いた。
落ちた頭は側頭部を支点に少し回転して、回転が止まると何者かと目が合った。
人間の少女だ。
地に身体を横たえ、服は汚れて、髪はぼさぼさ。おまけに泣き腫らした後のようで、頬は赤く、涙とも鼻水ともつかない液体で顔はべっとりと濡れている。酷い有様だ。誰のものか分からないが、かわいらしいヒラヒラの付いた洋服に血が染みているから、もしかしたら酷い怪我を負っているのかもしれない。
しかし少女は生きていた。空から落ちてきたレーザービークに驚いたのか、瞼を大きく開き、ぱちぱちと数度瞬きをした。
W47T

08/08(Mon) 19:58
2

「あなたは怖いロボット?」
少女は尋ねた。小さな掠れた声だ。レーザービークはボブ・シンガーの娘、マデリーンを思い出した。彼女もまた、人間からすれば異形に違いないレーザービークに、躊躇なく声を掛けた。人間の子供は好奇心が旺盛だ。
「ああ、そうとも。ちょっと前まで俺はお前なんか簡単に殺しちまえた。だが、今はどうだろうな。お前にだって、俺を殺すことは簡単だろう」
レーザービークは答えた。頭が体と引き離され、人間だったら喋ることはできなかったはずた。
「痛い?」
少女は尋ねた。さっきまで泣いていたのが嘘みたいに、一丁前にレーザービークの心配をしているのだ。
泣いたのは恐怖故か、身体の痛み故か、あるいは親しい者を失ったのか。恐らくそれら全てだろう。レーザービークは永く――それこそオートボット達より永く――人間と付き合ってきた。彼等のことなら誰よりも分かるつもりだ。そしてそのレーザービークが思うに、この年頃の少女が自分を差し置いて他人を気遣うのは珍しいことだ。
「俺は頭と体がサヨナラしちまったんだ。痛くない方がどうかしてる」
レーザービークは答えた。素直に言うのも癪だから、できるだけ嫌味ったらしく聞こえるように。
少女はもぞもぞと身体を動かすと、這うようにしてレーザービークに近付いて来た。そしてうんと手を伸ばし、彼の頭を引き寄せる。レーザービークはこの少女がとうとう自分に引導を渡すことを決めたのだと思った。人間の子供とは好奇心が強く、無邪気で、故に時折驚くほど残酷だ。レーザービークは知っている。
W47T

08/08(Mon) 20:02
3

しかし彼女はそうではなかった。少女は片方の手でレーザービークの頭を支え、もう一方の手でゆっくりと撫でた。
「私がけがをすると、ママは必ずこうしてくれるの」
レーザービークは人間に掴み掛かられたり、逆にこちらが襲いかかったりしたことはあったが、こんな風に触れられるのは初めてだった。レーザービークにこういうことをするのは、サウンドウェーブかメガトロンぐらいのものだ。今まで人間のことなど、良くて“便利な駒”ぐらいにしか思っていなかったが、不思議と悪い気はしなかった。
「私、お姉ちゃんになったから、今度は私が弟にこうしてあげるんだ」
少女は言った。レーザービークは忘れていた。人間は新たな出会いによって成長してゆくのだ。それも若ければ若いほど、そのスピードは速い。頭だけになった小さく可哀相な自分を、少女は弟に見立てているのだろうと、レーザービークは合点がいった。
ディセプティコンの誰かが放ったミサイルの一つが向かって来るのが見えたが、こんな終わり方も悪くないと思えた。



end
****



また映画観て小説読んで、変なところがなければブックにumします。
W47T

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