ゴミ箱

落描きを適当に投下していきます。
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08/06(Sat) 20:20
実写のお話

実写バンブルビーの話。CPとかはないです。一応。

冒頭とオチだけ考えて真中が書けないいつものパターンに陥っているため、起承転結で言ったら「起」のところだけ。(そもそも起承転結なんて考えてないけど)
時間軸としてはリベンジの前あたりとお考えください。
生粋の腐女子さんはがっかりするかもしれないです。「結」まで書けば違うんでしょうけど。

もしかしたら続きをアップするかもしれないし、しないかもしれない。……多分しない。

PC
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08/06(Sat) 20:25
冒頭

「ねえビー、聞いてる?」

サムは洗車の手を止めて彼の友人に尋ねた。

「“もちろん”“聞いてなかった”“そんなわけないじゃない”」

友人バンブルビーはラジオの音声を繋ぎ合わせ、サムの問いに答える。聞いていたといわれても、「そうかい」と信じる気には、サムはなれなかった。何せ彼が話している間、バンブルビーは相槌の一つも打たず、甘ったるいラブソングを流してハミングまでしていたのだから。

「じゃあ今僕が何の話をしてたか言ってみて」
「“ガールフレンドと”“結婚するんだって?”“おめでとうを言わせてくれ”」
「ぜんぜん違うよ」

サムは溜息を吐いた。ガールフレンドの話には違いないが、ミカエラと喧嘩をした話なんて繰り返す気にもなれず、止めていた手を再び動かし、ホースを持ってバンブルビーの体に付いた泡を洗い流す作業に入った。サムのもやもやした気分とは反対に、バンブルビーはやけにご機嫌だった。未だラブソングを流し続けて、サムの様子なんて全く気にしていないようだ。

「ビー、何かいいことでもあった?」

フロントガラスに水をかけながらサムが尋ねると、バンブルビーは「待ってました」と言わんばかりにエンジンを唸らせ、ロボットモードにトランスフォームした。装甲の動きに合わせて泡や水が飛び散り、サムに襲いかかる。

「“好きな子ができたんだ”“すごく可愛いよ”」

バンブルビーはなんだかふわふわしていて、金属の体のくせにどこかへ飛んで行ってしまいそうだ。嬉しそうに背中のドアをパタパタさせるものだから、サムはますますびしょ濡れになった。

「“ところでサム”“君は”“洗車が”“そんなに下手だったかしら?”」

頭の先からかかとまで濡れたサムを見下ろして、バンブルビーが言った。サムはよっぽど「お前のせいだ」と怒ってやりたかったが、浮かれきっている今のバンブルビーには何を言っても無駄だろう。

「ビー……まだ終わってない。戻って」

サムは平静を装ってバンブルビーにビークルモードになるよう促した。

(好きな子ができた、ね)

振り返ってみると思い当たる節があった。近頃妙に落ち着きがなかったのは、その子のことを考えていたからか。今日の洗車は身だしなみを気にしてのことだろう――次の休日は何をしたいかとサムがバンブルビーに尋ねると、バンブルビーはすぐさま「洗車」と答えたのだ。
喧嘩のことをいつまでも引きずっていても仕方がないし、宇宙人の恋愛なんてそうそう拝めるものではない。サムは気持ちを切り替えて、この状況を楽しむことにした。

「で、その好きな子ってのはアーシー? クロミア? それとも……」

サムが言い終わる前に、ピカピカのカマロに戻ったバンブルビーが口(ラジオ)をはさむ。

「“違う違う。そうじゃない!”」

どうやらサムの知っている女性オートボットではないらしい。

「それじゃ一体……」

サムの知らないメンバーが地球にいるのだろうか? それとも地球外にいる仲間? もしかしたらディセプティコンを好きになってしまったとか……。サムがあれこれ考え、まさか人間の女の子を、と思ったところで、バンブルビーは答えを示した。

「“真っ赤なスポーツカーちゃーん!!」

「真っ赤なスポーツカー」それはつまり……

「ただの車ってこと? ロボットじゃなくて?」
「“そのとぉーり!”」

いくら機械生命体の彼と手、叶うはずのない恋と分かっているはずだ。なのになぜこんなにもウキウキしていられるのか。サムはバンブルビーのことが分からなくなった。

PC
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