焦がれるだけの強さより


□特別補習授業? 宣告編
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「この前から、口も聞いてくれないし」


また、ため息。


「あーあぁ、あたしはエンディたちとは違ってさぁ、


フェルマータに見捨てられたらぁ、どうしようもないよ」


「あれ、」エンディは、ティアの隣の席を見た。


「そういえば、フェルマータはどこ?」


無言で椅子を指差すティア。


エンディが覗いてみると、椅子の上には一本の曲剣――フェルマータが乗っていた。


ぴくりとも、反応は無い。


「あーらら……」


エンディも一緒にため息。


「ふふふっ」


ロングの笑い声。


「武器に見放されちゃあ、残酷剣士の名も廃るね」


「うるっさい!」


空気の読めない奴め、とエンディは全身全霊でロングを睨んだ。


「あんたなんか、初っからあたしに見放されてんじゃない!」


ロングは飄々と肩を竦めた。
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