焦がれるだけの強さより
□今日の課外授業
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「あー、暇すぎて死にそう。今なら死ねるよ」
「じゃあ死んだら?」
真面目なエンディに冗談を上手く切り返され、
再びノートの上につっぷしたロングは、
「何で授業なんてものがこの世に存在するんだろう……
文学と自然科学だけでいいよ、勉強なんて……」
「え、魂学は?」
一つ上の机からひょっこり口を挿んできたのは、クラスメートのフェルマータ。
「いらないよ、魂学なんか!」ロングは悲痛に語る。
「どうせ僕に出来ることなんか、ものすっごく限られてるんだからさ」
もうほっといてくれ……と嘆きに身を浸す彼に、
「でもさぁ、そうやって逃げてるから、いつまでたっても落ちこぼれんなんじゃなぁ〜い?」
痛恨の一撃。
ロングは真っ白になった。
それは、曲剣(サーベル)フェルマータの使い手、
冷酷の魔剣使い、ティア=ドロップだった。
「う、うるさいっ!」ロングは今度こそ叫んだ。
「うるさいうるさい、うるさーっい!
ああ、そうだよ!どうせ僕は逃げ腰でネガティブで負け犬な万年落ちこぼれだよぉぉぉっ!」
「お前こそうるさいぞ、ロング!」
先生の罵声と共に、黒板消しが飛んできて、ロングの眉間にクリーンヒット。
不幸体質の職人を尻目に、エンディは黙々とノートを埋めていた。