焦がれるだけの強さより


□アイドル・ウォーズ
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「それでも……」


時は夕暮れ、所は大きな橋の上。


寂しげな顔を少し俯かせた、女性が、声にふと足を止めた。


「もう、会えないから」


引きとめようとする声を、振り払うかのように女性は橋を走り出す。


「それでも!」


叫んだ男は、決然と女性を見据えた。


ごくり、息を呑んで振り向く女性。


男性が、つかつか歩み寄る。


「……大好き、だから」


はっ、と気がついたように女性は顔を上げた。


涙が一筋、流れる。



――そして、



 
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