焦がれるだけの強さより


□特別補習授業? 戦闘編
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シド先生は、生前と同じ生活を送っていたように思う。


けれど、このゾンビ達は、見てくれからしても完成度が低いようで、


――素直に突っ込んできた。


「汚いんだよ、」


エンディは銃口を構える。


「魂洗って出直してきなさい!」


そして、連射。


エンディに向かってきたゾンビは、しかし腕を振って弾を弾き飛ばし、


『タァーッチ!』


思いっきり、殴りかかってきた。


「エンディ!」


木の葉のように吹っ飛ばされたエンディを、ロングは全身で受け止めた。


代わりに木の幹へ激突するロング。


「あ……」エンディは自分の背中でつぶれている職人を見た。


「ありがと」


「どーいたしまして」ロングは力なく笑う。


「あー……何か僕らさ、職人と武器の立場、逆だよね。


なんで職人やってんのか、ちょっと最近解らなくなってきたよ……」


「昔っからでしょ?」


『コンドハ ソッチガ オニダヨ』


跳躍し、墓地を逃げ回るゾンビ。


「ロング、足はあんたの方が速いでしょ、あたしを持って追いかけて!」


「……あいあいさー」


ロングは機関銃化したエンディを握り締めると、


ふぅ、と息を吐き出して、ゾンビを追って走り出した。


恐怖は、ゾンビ不等号エンディの怒り。


 
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