駄文
□greedy aritist
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greedy artist
これは恋と呼ぶには重過ぎて、
愛と呼ぶには汚れ過ぎた
貪欲過ぎる感情。
求め過ぎた芸術の、
廃棄物。
でも、
どうしようも無い。
だってもう元には戻れないだろ?
少なくとも、お前の心は。
「おい、デイダラ」
サソリの声にデイダラは振り返る。
「お前、昨日また木ノ葉に行ってただろ」
いつも感情なんて微塵も含まない口調が、今日は何処か訝しげな気がする。
「行ったけど…何だ?」
淡々とした口調でそう告げると眉を寄せた。
サソリの僅かな表情の変化は感情の表れ。
どうやら相当ご立腹。
「一人で勝手に里に行くんじゃねぇ、単独行動は禁止だろうが」
しかし口調には不思議と変化が無い。
「悪ィ悪ィ…どうしても欲しいモンがあってさ」
悪怯れた様子の無いデイダラに呆れたようにサソリは溜め息を付き、その場を後にした。
そして、これからデイダラのしでかすであろう事にまた一つ、溜め息をを零したのだった。
「さてと…」
サソリの去った後、デイダラはアジトから性懲りも無く抜け出し、粘土鳥で木ノ葉に向かっていった。
「いいんですか?行かせて」
その様子を窓から眺めていた鬼鮫はイタチに尋ねた。
「止めてもどうせ行く、無駄な事だ」