劇場版「MW」レビュー

とはいうものの、DVDレビューです(笑)
一通り見て、まず感じたのは「そこまで設定やキャラをいじっといて、ラストは原作とあんまり変わんないじゃん」ってことかな。
どうせなら、ラストをもっと度肝を抜かせてほしかったな。二人で抱き合って飛行機から落ちるとか。そこで愛を確かめ合うとか(それはないか)
まず、MWによる島民の全滅事件。確かにあれは壮絶かも。原作よりも寧ろリアリティがある。
子供二人、島出身で、家族を目の前で惨殺されたわけだし。MWを吸わなくても憎しみでモンスターになりそうなもんだ。
原作でのキープレイスである島の洞窟も出てこない。ここくらいは少し入れてもよかったんじゃないかな。二人の思い出の遊び場とかで。
しかしこの「モンスター」って…。ゲームか何かですか?羽根とか生えてきませんか。片翼とか(笑)
そのモンスター結城!いや玉木ミチオ!
ぶっちゃけ綺麗!
ゲームのCGに出てきても違和感ない肢体と美貌に圧巻!シャワーシーンとかやばいすね(笑)
物語冒頭の身代金誘拐と惨殺劇。
確かに力入っていたけど、若干長すぎやしませんか(笑)結城のじわじわと追い詰める狂暴さと頭脳はよくわかったけど、もう少しこう、賀来神父との心のふれあいとか、切ない部分も取り入れてよかったような?
結構早いうちに結城が主犯者だって警察にマークされてたし、あくまでそっち系のスリルをメインに持ってきたんだろうけど…。
賀来神父とのシーン、原作ではこれでもかというほどイチャイチャしていたけど、ほとんどなかったな。
「お前さえいてくれたらいいんだ」発言くらいすかね。
原作の結城が賀来にそれ言われたら、飛び付いて喜びそうだ♪
でも劇場版は違う。あくまで結城は鬼畜攻め。最愛の相棒を殴る蹴る海に落とす。挙げ句「おもちゃを落としちまった」これってどうなの!(笑)若干の動揺だけ?原作は飛行機から賀来落ちたらはらはら泣いてたぞ?
愛情ベクトルが、原作とは真逆だよな、ほんと。
各キャラの最期だけど、コチラは色々驚かせてもらいました。まさか、まさか石田ゆり子死ぬとは思わなかった!!(よね?みんなそうよね?)
大概メインに出てきた人は死んでしまったけど、一番欝陶しいはずの警部さんだけは殺さなかった。それがちょっと不思議。
泳がせて面白がってるのかな。
しかし、賀来神父、本来なら結城と同等に目立たなきゃいけないのに、存在薄すぎだよな。
哀しげに眉間のしわを寄せて、たまりかねたときにたまに縋るくらい?
ん〜、薄い!(笑)
もっと中盤にも見せ場ががんがんあってもよかったんじゃないかなぁ。
ナイフで結城を狙いつつも出来ないし、結局チクってばっかりみたいな。
原作賀来は、「警察に突き出そうと何度も思うが、それでは結城の魂の救済にならない」、と初期の辺りから公言してたのに。そこが攻めとして年上として、結城を守る気持ちが強いってことだったんだろうな。
はじめに書いたように、ラストは原作とあんまり変わらなかったんだけど、そのために、一番知りたかったその後話なんかがまったくわからずに終わってしまった。
賀来は死んだの?
MWは水に溶けてしまったの?
結城はあとどれくらい生きるの?
野望はまだ続くの?
MWはまだ持ってそうだってことだけはラストシーンでわかったけどね。
でも何だか「これで俺もお前も救われる」と言い残して身投げした賀来神父、相当に無駄死にぽくない?
賀来は死んだと仮定して、救われたのかなぁ。せめてそうあって欲しいかもしれない。
で、結城が全ての復讐を終わらせて神に召されるのを、あの世で暖かく待っていたらいいなぁ。


[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ