疾風と繰り返される旋律(小説)
□〜12月12日〜 夜桜散歩
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ヒナギク「枯れない桜・・・これが・・・」
俺達が立っているのは枯れない桜の前
ダイゴ「たしか・・・なんでも願いが叶うんだよな・・・」
ヒナギク「確かに・・・そう聞くわね・・・」
ダイゴ『もし本当なら・・・おれは姉さんに・・・もう一度・・・』
そう考えたときだった
ヒナギク「ダイゴ君・・・」
ダイゴ「!?」
俺はヒナギクの言葉で現実に戻された
ヒナギク「今は親がいる私に言えることか分からないけど・・・今あなたが考えていることはいけない事だと思う・・・」
確かに・・・死んだ人間を生き返らせるなんて死者を愚弄しているにもほどがある
ヒナギク「でも・・・」
ヒナギクはまだ続ける
ヒナギク「私も・・・あなたと同じ状況なら・・・ここで何を願うか分からないわね・・・」
ダイゴ「・・・」
俺は無言でその言葉を聞いた。
ダイゴ「そうだな・・・
だけど俺は家族がいない間・・・ほとんど淋しいなんて思わなかった・・・」
ヒナギク「・・・」
ヒナギクは黙って聞いてくれている
ダイゴ「学校に行けばお前や泉達がいたからな・・・」
ヒナギク「そっか・・・
まあいらぬ心配だったかしら?」
ダイゴ「いや、ありがとうな・・・ヒナギク」
俺は素直にお礼を言った
ヒナギク「いえいえ・・・」