お題
□プールサイド
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「わあぁっ」
「や、山ちゃん…!」
危機一髪、足を滑らせた山ちゃんを抱きしめるように受け止めた。
「あ…ありがと、慎吾」
「あっぶねーな」
今は水泳の授業中だから全員水着なわけで。
抱きしめようものなら、しっとりと濡れた肌が密着する。
「山ちゃんってさー、ちっせぇよな」
「それ本やんにも言われる」
少し怒ったように頬を膨らませてオレを睨みつける仕草。
なんだかなー…山ちゃんは男なのに。
「力も弱いしな」
「そんなことないよー」
お?ちょっと怒ってる??
「じゃあオレから離れてみろよ」
抱きしめたままの状態で、腕に力を入れる。
山ちゃんって時々、壊したくなるくらい可愛いんだよな。
「…っん、痛…慎吾、苦し…い」
ぐいぐいとオレを押す山ちゃんの非力さになんともいえない興奮を感じた。
「ほらほらー、離れないとキスするぞ」
「や、やめっ…慎吾…あっ…」
(…とかなっちゃうかもしんないから山ちゃんはプールサイド走ったらダメ!!)
(凄い妄想力だねー)
(オレは山ちゃんが心配なのっ!!)
(てゆーか慎吾とクラス違うから)
(万が一!念の為!いやら慎吾だし!)
(そんな妄想してる本やんもねー)