お話

□わんにゃん
2ページ/5ページ

この雲雀と骸は綱吉のペットだ。
2人と過ごして数ヶ月。
最初来たときは本当に驚いた。
チャイムが鳴って出た先にいたのは、犬と猫。
そのときは普通に獣姿だったのに、一瞬にしていきなり人型になった。
あのときあげた叫び声ほど、素晴らしいものはなかっただろう。
それからあれよあれよと言う間に二匹は沢田家のペットとして居着いてしまった。


「チョコレートを好んで食う犬に、暖かい紅茶が好きな猫…何かいろいろ間違ってるよな」


悠々自適に過ごす二人に綱吉から溜め息が漏れる。
でも、綱吉の側を滅多なことじゃあまり離れない二人を見るとそれなりに懐いてくれてるのだろう。
そんな二人に愛しさも湧くが、まがりにも主人をこき使う様子には百年の恋も冷めるというもの。
可愛さあまって憎さ百倍とはよくいったものだと、昔の人を尊敬してしまう。


「綱吉くん、そろそろ散歩の時間ですよ」


骸の言葉に時計を見ると4時少し前。
ならば準備をしなきゃと、行動し始めた綱吉の背に低い声がかかる。


「ちょっと綱吉!僕の紅茶は?」




_
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ