企画
□誤解が誤解を生んでやっと本当が分かる
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それは本当に偶然だった。
このところは神楽が何か思ってかあまり遊びには行かず、万事屋にいてくれていた。
今日はたまたま新八が神楽に遊びに行っておいでと言い、遊びに行かせた。
神楽とすれ違いで依頼人が来た。
届け物の依頼だ。
これだけなら新八だけでも十分だと思い、引き受けた。
届け先は今はあまり行きたくない吉原だったー。
「受けるんじゃなかったなァ」
吉原の道のりを重い足取りで進む。
もし、吉原で月詠といる銀時と出会ったら嫉妬でどうにかなりそうだ。
想像だけでも嫌な気持ちになって抑えるのが大変だというのに。
やっと見えてきた吉原に、新八は両の頬をパチンと叩いた。
「よし!漢新八、行きます!」
気合いを入れ吉原の中へと突き進んでいった。
流石夜の町だ。昼間はあんまり人がいない。夜になると沢山の人で賑わうのだろう。
教えて貰った地図を頼りに目的地を探す。
思った以上に店がたくさんあって、届け先にたどり着くまで時間が掛かった。
荷物を手渡しやっとここから抜け出せると思って、何気なくみた店に銀時と月詠が入っていくところが目に入ってきた。
ここは吉原。
春を売るところ。
月詠だって花魁ではないが、『死神大夫』だ。
店はそういうことをする場所。
新八はがむしゃらに走り抜けていった。
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