お話

□喧嘩のあとは
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口うるさくって
母ちゃんみたい



〜喧嘩のあとは〜



「また甘いもの食べたんですか?」

「いいだろー。糖分は俺の命だ」



このやり取りは日常茶飯事だ。
銀時が新八に隠れて糖分を摂取すると、新八は必ずといって気づく。
最初は偶然だと思っても、何度もあれば新八がどういうわけか銀時が糖分を食べた日を的確にあてるため、偶然ではないと思わされる。


何で分かるのかと聞いたら、勘だと答えられたのは記憶に新しい。



「あんた糖尿でしょうが!」

「まだ寸前だ!」

「似たようなもんでしょ。明日の糖分は減らさせてもらいます」



新八の糖分減量の言葉に銀時はとうとうキレた。
毎度、新八が言った分以上の糖分を取ると新八は容赦なく減らすのだ。
少ない糖分では銀時がなっとくできるはずがなく、自分で食べに行きまた新八にバレ、悪循環の繰り返しとなっていた。



「はぁ!?ふざけんなよ!」

「ふざけてなんていませんよ。僕は銀さんのためを思って…」

「うるせーよ!俺のためって言うんなら好きなだけ糖分食わせろってんだ。お前、最近うるせー」


耳をほじり、出てきた耳クソを息で飛ばしながら銀時は冷たく告げた。


「っ!?…そんなに五月蝿いですか?」

「ああ」

「っなら、もう言いません!!銀さんなんて糖尿で死ね!!」


近くにあったジャンプを銀時に投げつけ、新八はバタバタと慌ただしく万事屋を出て行った。


「銀ちゃんサイテーアル」


ボソッと呟いた神楽に反応した銀時は頭を乱暴に掻き回した。




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