お話
□物事には限度がある
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銀さん。
頼むから俺の仕事邪魔するのやめてくんない?
せっかく受かったバイトなんだよ。
話はあとで聞くから、仕事させて…って、何すんだよォォ!
は?
仕事がなかったらヒマだろ?って何言ってんだアンタァァァ!!
〜物事には限度がある〜
おかしい。
今月の電話代がすごい。
新八は真っ赤に彩られた家計簿を見つめた。
今まではこんなにいかなかったはずだ。
掛かってくることもかけることも滅多にない万事屋の電話。
機能をあまり使ってないくせに、電話代がいつもの倍以上かかっている。
「これは浮気アル」
「うわっ!?」
新八の真横からにゅっと顔を覗かせた神楽に新八は声をあげた。
「う、浮気って…誰が?」
吃驚した余韻でドキドキ鳴る心臓を押さえながら新八は恐る恐る神楽に問うた。
「銀ちゃんに決まってるアル!万事屋の電話使うの、私か新八か銀ちゃんだけネ。私は使ってないし、新八だって覚えがないなら銀ちゃんしかいないアル」
神楽の言うことには一理ある。
しかし、それだけで浮気決定とはいかない。
あれだけ毎日、新八に対して好きだ云々言っているような人が浮気なんてするだろうか。
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