お話
□キミがいるだけで
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綱吉くん。
僕は一度はあなたを殺そうとしました。
そんな僕を受け入れてくれた。
あの牢獄から解放してくれた。
それだけで十分なのに
あなたは僕の気持ちまで
受け入れてくれた。
でもね。
ちょっと不安なんです。
いつか綱吉くんがいなくなりそうで。
いつまで一緒にいられるか分からないから。
不安にもなるんです。
〜キミがいるだけで〜
「綱吉くんに会いたいです…」
「骸さん…またれすか?」
黒曜中の生徒会室でだらしなくうつ伏せになるのはここの生徒会長である六道骸だ。
数週間に一度、彼は綱吉欠乏症に陥る。
隣町だから偶然会うこともなく、彼の家庭教師がこの交際をあまり認めてないことからなかなか会うことがない。
本来なら毎日でも会いたいのをぐっっっと我慢して一週間に一度会うだけに留めている。
今週は既に昨日、会ってしまった。
昨日会ったからこそもっと側にいたいと思う。
「…千種!犬!」
「「はい?」」
「あとは頼みましたよ!僕は綱吉くんに会いに行きます」
早口にまくし立てると、二人の言い分も聞かずに部屋を飛び出していった。
「あーあ…行っちゃったびょん」
「仕事、まだいっぱいあるのに…」
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