お話

□骸さんの育児奮闘記
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とてとて…
こて。
むく。
とてとてとて…
こてっ。
むくっ。
とてとてとてとて…
こて……

「うわぁああぁあん!」

「…」


〜骸さんの育児奮闘記〜



先日子どもを拾った。家の前にダンボールに入れられてそこに居た。
犬猫ならまだ分かる。いらなくなったらダンボールに入れて捨てる人もいるだろう。
しかし、人間の子どもをダンボールに入れて、しかも人の家の前に捨てる者がいるだろうか。
ダンボールに入っている張本人はスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている。


「暢気なもんですね」


また捨てるのも躊躇われ、そのまま家の中へと連れて入った。



それから、子どもとの生活が始まった。






「何回こけたら気が済むんですか…」


歩くのが下手な子どもは何度もこける。
始めのうちは、こけても起き上がり歩き出すのに、最終的には泣き出してしまうのだ。


「むくっ…おんぶぅ…っ」

「…はいはい。」


自分は甘いのではないかと思う。
今でさえ、ただ風呂場に行くだけなのに子どもの希望をすぐ聞き入れるなんて…。
厳しく躾なくてはとは思うが、泣かれたときどうすれば良いのか分からなくて困る。

「へへっ。ありがと」

「……。」


だが、この子どもに笑顔で礼を言われるのは悪くないなと思ってしまっては、厳しくするなんて出来ないだろう。




end
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