お話

□風船
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ねぇ
綱吉。
キミは羽ばたきたいだろう。
あの大空に向かって。
キミには自由が似合う。
でもね、僕はそんなの許さないよ。

離れるなんて許さない。




〜風船〜





「あ!!雲雀さん。あそこ見てください!!」


並盛中学校の屋上で雲雀は綱吉を後ろから抱きかかえ、のんびりと甘い一時を満喫していた。

彼曰わく、『綱吉が切れたんだ。補充しなきゃね』だそうだ。
突然呼び出された本人は始めは驚きはしたものの、満更でもなく『しょうがないですね…』と頬を染めながら甘受したのだ。

それならばと綱吉の希望もあって2人は屋上へとやってきた。



「あそこってドコさ?」


綱吉が指し示す場所が分からず眉を潜めた。


「あそこですよ!!」

伸ばされた指の先を追うと、真っ青な空によく映える赤い風船。


「誰か飛ばしたんですかねぇ?」


子どもが誤って手を離してしまったのなら、可哀想だ。と話しながら真っ直ぐにソレを見つめる。
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